2008年03月01日

「猫語の教科書/ポール・ギャリコ」

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〜ある編集者のもとへ届けられた不思議な原稿を解読することができた著者は驚いた。それはなんと猫による猫のための「快適な生活を確保するために人間をどうしつけるか」というマニュアルだった。 <書店の内容説明> 〜

   
   *目次*
人間の家をのっとる方法
人間ってどういう生き物?
猫の持ち物、ネコの居場所
獣医にかかるとき
おいしいものを食べるには
食卓でのおすそわけ
魅惑の表情をつくる
ドアをどうする?
クリスマスのおたのしみ
旅行におともするコツ
母になるということ
じょうずな話し方
猫にとっての正しいマナー
愛について
別宅を持ってしまったら
これはしちゃダメ
子猫のしつけと子猫の自立終わりに






私はこの本を読み進めて、最初の数ページ目で、背筋に怖気が走りました(笑)


「ああ!すべてが仕組まれた事だったのか!!」






猫と好きな方は誰でも知っている猫の愛らしさ。
その仕草のすべてが“計算”だったなんて…そんなはずは無い。
なんて、心で思いながらもテキストを読み進むうちにきっと、本を片手に横で寝そべる猫を横目でチラチラ窺ってしまう事でしょう(笑)


この本の原題である『THE SILENT MIAOW』(無声ニャーオ)
猫として人間を翻弄する為の最終兵器として、このテキストには多数出てくるのですが、うちにも“無声ニャーオ”の達人であるメロの繰り出すこの技には、いつでも心をノックアウトされてしまいます(笑)


一応、その技をご存知ない方の為に説明致しましょう。


忙しさに翻弄される毎日では、猫達とゆっくり過ごす事も出来ない事もしばしば。
出勤前の朝の準備に追われ、猫達への気配りが多少なりとも手薄になるモノである。

いつものカリカリをお皿に盛りつけ、準備を済ませていざ出発!!の段階にて、ふと…ご飯に見向きもせず、ぼんやりと人間を見つめる猫の視線に気づく…。

「・・・・・」

「どうした?ご飯を食べないのかい?」

「・・・・・」(ゆったりとしたまばたきを一つする猫)

「ごめんねぇ。もう行かなくちゃイケナイんだ」

「・・・・・」(声を出さずに口の形だけでする“ニャーオ”)





……なんて切ない表情なんでしょう。
この顔をされてしまうと、走馬灯のように頭の中に回り始めるのは、猫達への手抜きの日々。私なんて妄想脳を所有しているので、映画やドラマでの回想シーンのアレのようなコマ割りもしっかりとした映像が浮かんでくる。

私がパソコンに向かっているとき、遊んで欲しくて、おもちゃのネズミを私の側にもって来たのに、私には気づいてもらえないまま、ジーッと私を見上げ続ける猫。

私が出勤した後、ずっと玄関先に佇む猫。

トイレに入っている私を待っていたのに、扉の陰に隠れてしまい…待っていた事すら気づかれなかった猫。


…すべて妄想(笑)


上の妄想の他にも“猫達の事情”について、もう完全に人間目線の切ない妄想が始まる場合もある。“おかあさんに会いたいよ”とか(笑)



こんな顔されて、放ったらかしで出勤出来る猫好きなんて居ないでしょう。
私はこの顔をされたが為、何度も遅刻しておりますもの(笑)



しかし、このテキストを読めば…そんな猫達の最終兵器である“無声ニャーオ”が、手段に過ぎない事が明確となる。

結局は猫の思惑通りに、人間は誘導されてしまうワケです。



“無声ニャーオ”以外にも猫生活に欠かせない多数のマニュアルが、掲載されておりますので、今年の春に産まれてくる猫の子供達!!是非必読あれ。


果てさて…家の猫達は、いつこの本を手に入れ、読んだのだろう?
この本に書かれている大体の事は、実践しているのだれど。






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秘技“蛇拳”を繰り出すメロ(このテキストに“蛇拳”の項目はありません 笑)








ニックネーム カルキ at 14:04| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月14日

「のらねこ。/中川 こうじ(著)」

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出版社からの内容説明
外で暮らす猫の姿をありのままにとらえたフォトエッセイ 野良猫の去勢手術や里親探しを個人で行い支援活動を続けている中川こうじ氏。
彼が活動しながら撮り続けている写真のなから彼が印象に残った野良猫たちのさまざまな生きざまを写真と文章とでつづるノンフィクションフォトエッセイ。




著者である中川 こうじ氏の運営するサイトの“STREET CATS(小さな息吹の叫び!)”に、はじめて訪れたのはいつだったろうか。

写真家である中川氏によって、写し出される野良猫たちの現実は、私を打ちのめすのに充分な魂を持ち合わせていた。

サイト内のブログ“野良にゃん写真集”で、中川氏の綴られる言葉は、優しさに満ち溢れているというのに、どうしてだろう? 息が詰まるほどに心をえぐられる。


「知っていた」「知っている」を私は突きつけられたのだろう。




私は弱い。大きな声で言う事では無いが、弱い。
道ばたで猫に出会えば挨拶をし、立ち去るときに何かしらの仮説を思い浮かべるのが癖だ。

「誰かいい人に拾われてね」

「綺麗な猫だから飼い猫かもしれない」


本当に? 本当にそう思ったの?か。
いや、私はきっと本当の事を「知っていた」のだ、何もかも。


だからこそ響く。
本書は私の言い訳が、誤摩化しでしかなかった事を突きつける。

猫を捨てる人の気持ちは解らない。
猫の避妊手術をしないで、生まれた子猫を処分する人の気持ちも解らない。
猫を傷つける人の気持ちも解らない。

だけど、そんな解らない人たちを軽蔑して、排除するだけでは何も変わらないのだ。
罪深き人間達の中に含まれる私にも出来る事はあるのだろう。



弱い私だ、猫の現実を完全に受け止めるには、まだほど遠い。
しかし、本書を手に入れたって事自体が、私にとっての小さな一歩。

悲しい猫の話は、一度も見ないようにしてきた。
弱い私は、この目に愛すべき猫の悲しい現実を映す事すら出来なかった。
「知ってる」くせに、意気地のない、弱い私が選んだ第一歩。




出来れば、たくさんの人にこの本を手に取って欲しい。

私の周りにもたくさん居る、猫を大好きな弱き者たちにも。








ニックネーム カルキ at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする